生駒組新社屋
北海道旭川市を拠点とする生駒組の社屋の建替えプロジェクト。土木建設事業を営む生駒組は、旭川や北海道の地域インフラを支え、創業100周年を迎えた。それを節目として、コーポレートアイデンティティを更新し、自然環境の変化、暮らしの変化、働き方の変化、そして建設業の役割の変化など、さまざまな変化と対峙している。社屋の建替えプロジェクトもフリーアドレスが採用されるなど、企業を未来へ進める取り組みの一環となっている。
橋のような建築
生駒組の仕事を象徴する橋を主題として建築を構想した。橋は川のまち旭川のシンボルでもある。敷地は碁盤の目状に区画された旭川中心市街地に立地。北側を本通りである国道12号、南側を仲通りに接している。2つの通りをつなぐ橋のように、南北方向にオーバーハングする全長46.8m幅10.0mのヴォリュームを配置した。2階が跳ね出すことで生まれたピロティは、訪れる人を心地よく社屋に招き入れる。また、道南杉羽目板を用いた本通り側の内外装は、土木構造物のような佇まいの建築に、暖かみがあり親しみ易い雰囲気を与えている。
多様な働き方を受け入れるフリーアドレスオフィス
事務スペースはフリーアドレスを採用。多様な働き方を受け入れるため、単調で均質な空間ではなく、全体が連続しつつも分節された空間を構想した。鉄骨現しの柱梁が連なる全長46.8mのワンルーム空間に、役員室や打合室などの個室をランダムに配置することで、複数の小さな居場所を生み出している。小さな居場所には、仕上げに変化を持たせた5つの箱とハイサイドライト、各通りに向けた大開口によって、スケールや素材感、明暗が異なるキャラクターを与えた。仕事の状況によって従業員が自分の居場所を見出せるオフィス空間となっている。
変化する企業を体現する新社屋
企業ロゴの刷新やWEBサイトのリニューアルなど、ブランディング施策も積極的に取り組んでいる企業の姿勢を新社屋に体現しようと試みた。本通りに向けた視認性の高い内照式のサインには新たな企業ロゴを活用。使用材料の樹種と産地を可視化するサインプレートをデザインし、北海道産材を多く用いた内装と特注家具に設置した。さらに、企業のアイデンティティや価値観をシンボル化した大型ピクチャをエントランスに展示した。これらの設えが、企業を地域に発信する「きっかけ」になることを期待している。
竣工:2025年8月
計画地:北海道旭川市
用途:事務所
敷地面積:2,212.10m2
建築面積:568.28m2
延床面積:858.29m2
構造:鉄骨造
設計監理:渡辺拓哉建築設計事務所
施工:荒井建設
撮影:今田耕太郎












