top of page

神楽岡のカーポート

一戸建ての住宅が建つ敷地にあるカスケード車庫の建替え計画。
累積降雪量が多い旭川市では、住宅の付属建築物である車庫や物置は重宝するものであり、それらが、住宅街の街並みをつくっています。

既存の老朽化したカスケード車庫は、屋根の雪降ろしが難儀で、シャッターは閉めずに使用されていました。そのため、駐車スペースと物置、除雪機置場からなる3.75間×3間の平面に自然落雪式屋根を掛けたカーポート形式を採用しました。

カーポートの四方は、道路、サクラの木、庭、隣地際の菜園。その一方すべてに落雪させることは考えられず、道路以外の三方に落雪を分散させることにしました。落雪範囲や飛距離に注意を払い8寸と4寸からなる屋根勾配、棟の位置、軒の出寸法を決定。結果、道路側に妻面が現れ、主屋と同調する立面がつくられました。

妻面外壁は、雪の吹込みを防ぐポリカ波板張りに。駐車スペースは、梁上の小屋組から柔らかな光が降り注ぐ空間となります。また、基礎梁を既存のブロック塀と連結し高さを揃える、カーポートと連なる新設木塀、といったディテールで「敷地全体での外観」をつくることを意図しました。

車庫や物置などの付属建築物がつくる北海道の住宅街の街並み。
既製品の是非はともかく、少しの工夫、配慮の気持ちを持って付属建築物をつくることができれば魅力的な北海道の街並みが現れるのだろうと感じています。

竣工:2021年9月

計画地:北海道旭川市

用途:自動車車庫

延床面積:37.26m2

構造:木造

施工:京田組

© 2024 watanabe takuya architects

bottom of page